精神科の先生方へ

自殺者が年に3万人を超え続け、
精神科にかかる患者さんも増え続ける中、
先生方に寄せられる期待は、
かなりのものだと思います。

テレビなどで取り上げられるのは、
強く主張しない患者さんたちをいいことに、
大量の薬を与え続ける医師が主ですが、
もちろん、大半の先生方は、
限られた時間の中、
できる限りのことをなさっているはずです。

そこで、お伺いしたいのですが、
薬物療法認知行動療法と併せて、
運動療法なるものも行ってらっしゃるのでしょうか。
NHKでうつ関係の番組を見る限り、
上記2つの療法しか紹介されません。

軽い症状の患者さんはもちろん、
そうでない患者さんであっても、
現在の治療に運動を加えることで、
無茶をしない限り、
良くはなっても、悪化することは、
常識的には考えられないと思います。

ヨガに関する論文を
Entrezやgoogle scholarで時々検索していますが、
以前は、長くヨガを続けている人や、
特に精神科の患者さん対象ではない研究が
多かったのに比べ、最近は、
精神科の患者さん対象の研究が増えている印象です。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2176141/?tool=pmcentrez
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3111147/?tool=pmcentrez

手始めとして、
「太陽礼拝」が日課になれば、何かが変わる気がします。
準備運動としてよく使われるものです。
手元のYoga as Medicine の Depression の所には、
山のポーズ(直立)から、
両腕を上げて伸びる(太陽礼拝の冒頭部分)
だけを繰り返すものや、
ダウンドッグ(太陽礼拝に含まれています)も
紹介されています。

http://www.yoga-navi.com/yogapose/yogapose-taiyoureihai.html
http://en.wikipedia.org/wiki/Surya_Namaskara

患者さんによっては、
逆効果の可能性ありのポーズもあるようですが、
(シャバアーサナ、子供のポーズ等々)
流れに沿って行う太陽礼拝は、
気持ちを遊ばせる暇がありませんし、
冒頭部分をしばらく繰り返すだけでも効果があるようです。


精神科の先生方、一度、
ご自身で太陽礼拝を試してみて頂けないでしょうか。
人というのは、本当に良いと実感できたことでないと
心から勧められないと思いますので。
ジムやスポーツで汗を流した時の爽快感とは異なる、
心地よい幸福感に満たされるはずです。

太陽礼拝がきつい患者さんには、
「ブラーマリー」という、
ハミングの呼吸法もいいかもしれません。
定期的に続けると、精神が安定してくると言われています。
http://d.hatena.ne.jp/SunSalutation/20120318/1332032388

ご専門に関係なく、
救える患者さんの数が限られているという理由で、
臨床から研究に移られる先生方がいらっしゃいますが、
臨床の先生だからこそできる研究というものも
あるのではないでしょうか。

あまたの研究が、新薬に結びつくだけでなく、
患者さんの自発行為を促すものでもあってほしい、
今後は、そういう類の研究がどんどん増えてほしい、
と心から願っています。