山中先生の学聖マジック

4年前、竹内薫さんが、
京大に山中先生をお訪ねになった時、
2つのことに驚かれたそうです。

1つは、職場環境の劣悪さ、
もう1つは、山中先生の「欲」の無さ。

著名な学者に良く見られる
「欲」というものが全く無く、
取材に同行された竹内さんの奥様は、
帰りの新幹線の中で、
「世の中に、あんな人物がいるの」
と感心されることしきり、
同行スタッフ全員、楽聖ならぬ、
学聖マジックにでもかかったかの状態で
京大を後にされたそうです。

4年後、職場は立派な建物に変わっても、
山中先生は、相変わらず、
「欲」の欠片もお見受けしないだけでなく、
研究以外のことでも
常にあれこれ気遣ってらっしゃいますね。

iPSの研究に没頭して頂きたい反面、
ああいう先生が臨床にいらしたら、
一度診て頂くだけで、
精神的に救われる患者さんが
どれだけ多くいらっしゃるかしら...
と、かなり残念でもあります。