忍耐を支える快感

うつの患者さんの苦しみは、
想像することしかできませんが、
アトピーなら、少しわかります。
「少し」と書いたのは、

まぁ、
ご本人さんはおつらいんでしょうけど、
その程度なら...

と、皮膚科の先生に言われることが
少なくないからです。

それでも、
アトピー肌であることにかわりはなく、
ステロイド(クリーム)を使う時もあれば、
おつらくなる時もあるので、
インドに行く前は、かなり期待していました。

1ヶ月間、朝夕、しっかり動けば、
脳だけでなく、肌にも、
それなりの効果が感じられるはず。
ヨガの威力は、太陽礼拝で経験済みだもの。

結論として...
良くも、悪くも、ならなかったです。
なので、戻ってからしばらくは、
なんだか、浮かない気分でした。
正直、今でも、ヨガが、
アトピーにどれだけ効果があるのか、
よくわかりません。

なのに、まだ期待を捨てていないのは、
冷静になって論理的に考えると、
そもそも、遺伝や免疫が少なからず関与して、
慢性化しているアレルギーが、
たった1ヶ月で、誰でも劇的に改善されるなら、
とっくに、関連論文が出て、
医者も放っておかないだろうと思うからです。

様々な民間療法同様、
ピタリと合って、劇的に良くなる人も
中にはいるかもしれませんが、
実際にお会いしたことがないので、

どの程度の期間、
どの程度の症状を患っていた人が、
(その間、ステロイドを使っていたか否か)
どの程度ヨガを続けることで(内容や期間)、
どの程度症状が改善され、
どの程度の期間、
その状態をステロイドなしで保てているか、

等々を、自分の目で確認しない限り、
いい加減なことは言えません。

アメリカの高齢の女医さんが書かれた
本の中の言葉を思い出したことも、
まだ希望をもっている、もうひとつの理由です。
次のようなことが書かれていました。

私たちは、もっと忍耐強くなるべきだ。
患者は、医者に対して、
医者は、患者に対して、
患者と医者は、病気に対して。

賛否両論が多々あるものの、
アトピーには、ステロイドという即効薬があり、
私には、太陽礼拝で一瞬に気分が明るくなった
という強い体験があります。

なので、自分が、
あまりに即効性を求めていたことに
気づきました。

ヨガ等々の運動療法で、ステロイドのような
「城攻め」はできないかもしれないけど、
「外堀攻め」として淡々と続けていれば、
いつか、その日が来るかもしれない、
と詩的に妄想しているわけです。

何より、ヨガをすると気持ち良いですし。
ちょっと面倒だなぁ... と思って始めても、
必ず、快感で満たされて終わるのが常なので。
展開が未知な状況を支えるのは、
日々のささやかな快感なのかもしれません。